その管弦楽の

コンサートは、大層面白かった。歌劇の曲から持ってきてくれたお蔭でストーリーが感じやすかったのもあり、また生まれて初めて指揮者の動きに注目したり、各楽器のひとつひとつの音が本当に繊細に集まっているんだなあ、ということも感じられた。
この歳になってようやく少しはそういう感性が生まれたのだと思って嬉しくなった。
今まではオケなんてただ眠いと思っていたからのう…。

それはそうとアンコールでオペラ座の怪人のメインテーマ(?)を演奏していたのだけれど、オペラの方を観ずに映画だけしかまだ観ていないあたしはもう何だか切なくて悲しくなってしまった。
というのも、オペラの方は怪人がかなり悪者で醜悪に描かれているらしいのだが、映画版はもう本当に怪人が可哀相でならないのだ。(あたしの視点では。)
映画を観たとき、怪人と『日出処の天子』の厩戸王子が凄く重なって見えて、処天を読んだときのあの心の痛みが蘇ってきてしまったので。

そんな気持ちを思い出して一人切なくなっていた。
我ながら良く分からない思考回路だ。