すすむよ

那須ではこの超遅読のあたしが2冊読了した。
いかに時間がある(決してそんなに暇なわけじゃなかったんだけどな)かがわかるな。

眠れるラプンツェル (角川文庫)

眠れるラプンツェル (角川文庫)

 
―専業主婦歴、6年。隣の少年に恋をした。―
 
帯のこの紹介文を読んで、どういった物語を想像するだろうか?
20代もしくは30代前半の主婦と、高校生のひと夏の恋物語
子供と大人の狭間の、不安定な少年と、彼が憧れる『年上のお姉さん』?
 
いや、そうではなく、もっと乾いて、もっと幼い感情の出会い。
未来は遥かに遠く、明日は遥かに不安定。
口にする言葉に嘘はないのかもしれないけれど
それを心の底から信じてしまうとそれはあまりに重荷になる。
塔の上のラプンツェルは、
塔を登ってきた王子様が
実は小さくしかし凛々しい小鳥だったことに気付いて
窓を開け放しにして
いつでも彼が飛び去れるようにしてしまった。
 
読み終わって、切ない、よりも悲しい気持ちになった。
 
さぶ (新潮文庫)

さぶ (新潮文庫)

例の雑誌のタイトルの元ネタになったのかなーとか思っていたのだけれど、至ってストレート(あっちの意味で)な作品。愚直に生きる無数の江戸の人々。